抄録
来島大橋は, 本州四国連絡橋のうち尾道市と今治市を結ぶ西瀬戸自動車道のもっとも四国側に位置する三連吊橋である. 本橋は2Pから9Pまで計6基の主塔を有し, これらの主塔で発生が予想された渦励振を低減するため, 架設時に主塔およびクレーン上にアクティブマスダンパ(AMD)とチューンドマスダンパ(TMD)を各2台設置した. 本文では, こうした制振対策のうち主塔5Pで実施したものの概要について述べるとともに, 主塔独立完成時に行なった振動試験と動態観測の結果を報告する. 振動試験では, 主塔の固有振動特性データを収集するとともに, 設置した制振装置が設計条件を満足していることを実証した. また動態観測では, 現地の自然風と主塔の応答を計測して風洞試験結果と比較する一方, 渦励振に対する制振装置の作動状況を確認した.