歌壇・俳壇
投稿フォーム
-
毎日俳壇
片山由美子・選
2022/3/21 02:01 374文字シャッターに廃業告知二月尽(にがつじん) 千葉 鵜澤正信<評>こんな場面を目にすることが珍しくない昨今である。近代になって用いられるようになった季語がいきる内容といえる。藁(わら)しべを鳥が引き合ふ弥生かな 加古川市 中村立身<評>鳥が巣作りを始めたのだ。巣ということばを使わずにそれを伝え、季節感を
-
毎日俳壇
井上康明・選
2022/3/21 02:01 359文字日輪を焼き尽くさんと野火猛(たけ)る 霧島市 久野茂樹<評>山裾から野火が放たれ、山麓(さんろく)一帯を覆いながら燃え上がるのだろう。空に輝く太陽も焼き尽くそうとする炎の熱気である。踏み入りて蓬生(よもぎう)の香にたぢろぎぬ 大阪 芹澤由美<評>荒々しいヨモギの野はむせるような香を放つ。誘われるよう
-
毎日俳壇
西村和子・選
2022/3/21 02:01 354文字摘草(つみくさ)の後ろ姿が嬉(うれ)しさう 相模原市 はやし央<評>顔や声ではなく、後ろ姿にあふれている喜びとはほほえましい。肩や背の動き、風に吹かれる髪の艶なども見えてくる。玄関に靴整然と雛(ひな)の家 川崎市 久保田秀司<評>ひなの宴に招かれた子供たちのかしこまった気持ちが、靴の脱ぎ方に表れてい
-
毎日俳壇
小川軽舟・選
2022/3/21 02:01 341文字雪解や乳歯の下に永久歯 北本市 萩原行博<評>子供の乳歯の下には永久歯が育ちながら生え変わるのを待っている。雪が解けて地面が顔を出す自然との対比が明るく健やかだ。囀(さえず)りや子供の通ふ英語塾 芦屋市 水越久哉<評>窓の外からさえずりの聞こえる英語塾。子どもたちの操る英語もまるでさえずりのよう。春
-
毎日歌壇
加藤治郎・選
2022/3/21 02:01 494文字古本に犬の耳あり清顕と聡子に雪のとどくところに 東京 熊倉アンナ<評>古本は三島由紀夫の『春の雪』である。雪のシーンに犬の耳を見つけた。幻影というには不思議なリアリティーがある。悲恋を暗示している。気付いたら更地で何があったのか分からない場所だらけの身体 春日井市 福島さわ香<評>更地は身体の比喩だ
-
-
毎日歌壇
伊藤一彦・選
2022/3/21 02:01 481文字乳呑(ちの)み子を抱えて国を追われゆくおみなが映るテレビを見入る 南丹市 中川文和<評>ロシア軍の侵攻がなければ平和に暮らしていたウクライナの家族が理不尽に家と国を追われる映像。母と赤子の姿が痛ましい。他動詞の「見入る」に重さ。雪害もコロナ禍さえも褪(あ)せて見ゆ軍事侵攻止める者なく 札幌市 佐々木
-
毎日歌壇
米川千嘉子・選
2022/3/21 02:01 471文字ペンギンの縫ひぐるみ腹に押し込めて身籠もりてゐる幼(おさな)とお祖母(ばば) 松戸市 越川伸子<評>孫と祖母である作者、2人一緒に妊婦さんになっているというのがじつに楽しい。もうすぐ妹か弟が生まれるのかも。帰ろうとせがむ子を見てほっとするきっと虐(いじ)めのなき家ならん 横浜市 芝公男<評>虐待のニ
-
出会いの季語
不忍池の春風=高田正子
2022/3/21 02:01 634文字2年前の春、体調に異変なく目が覚めるとうれしい、と書いた。まさかここに爆音を聞くこともなく、と加えることになろうとは。今目にしているものが、過去の過ちの映像ではないことが切ない。・春の風やさしい人になりたいな 第11回きごさい全国小中学生俳句大会でこのほど学校俳句研究会賞に選ばれた東京都江東区立第
-
点字毎日 点毎歌壇 真中朋久・選
2022/3/20 10:07 1231文字えんぴつを みみに はさみて いつつだまの そろばん はじく ありし ひの ちち 兵庫県 津村 隆 【評】懐かしい風景。お父さんは働き者だったのだ。今の子どもたちは、親のどんな姿を記憶にとどめるだろう?117 きょうふ かなしみ よみがえる だいち あばれた さむい あの あさ 大阪市 髙木庸子
-
毎日京都短歌教室 秀作は疋田さんら /京都
2022/3/20 06:12 401文字毎日京都短歌教室が12日に開催され、次の2首が秀作に選ばれた(京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開催、参加9人、指導は遠山利子氏)。 ◇コロナ禍に娘の残業の増えゆくや孫は今夜も会へずに寝入る 北 疋田みね子ありがたき阿弥陀如来は廃屋におはしたまへりつつしみ拝む 西京 田渕幸子 ◇次回は来月
-
-
お~いお茶新俳句・高校生の部大賞 馬越さんに市文化賞 今治 /愛媛
2022/3/18 05:08 300文字お茶の「伊藤園」が募集した「第32回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」で昨秋、高校生の部大賞に輝いた県立今治西高伯方分校3年、馬越大知(たいち)さん(18)に7日、今治市文化賞が贈られた。 馬越さんが17歳で詠んだ句「君の青を枯野(かれの)に転写してくれないか」は、応募85万8408句から見事大賞に。「
-
世俗離れ自由詠む 小児科医・俳人 細谷亮太さん句集出版 21日に映画上映とミニ句会 /神奈川
2022/3/17 07:01 853文字小児がんの専門医で俳人でもある細谷亮太さん(74)の句集「父の夜食」(朔出版)の出版を機に、細谷さんを主人公にした映画の上映とミニ句会を併せたイベント「ごちゃまぜ映画会」が21日、横浜市栄区の県立地球市民かながわプラザ「あーすぷらざ」で開かれる。【本橋由紀】 細谷さんは10代で俳句を始め、小児科医
-
伊賀の人芭蕉、多角的に 作家・北村さん 新書で分かりやすく 伊賀広域 /三重
2022/3/17 05:18 779文字名張市の日本ペンクラブ会員の作家、北村純一さん(73)が「伊賀の人・松尾芭蕉」(文春新書)を刊行した。北村さんは「まえがき」で、伊賀が芭蕉の「心の本拠、拠り所」、「江戸ではなく伊賀の人として俳諧人生を全うした」とタイトルを説明する。「従来江戸深川の芭蕉庵がクローズアップされ、生地伊賀の影が薄かった
-
県現代俳句大会 大会賞に夢野さん /福岡
2022/3/16 06:22 211文字第30回県現代俳句大会(県現代俳句協会主催、毎日新聞社後援)が13日、北九州市小倉北区のホテルであり、最優秀賞の大会賞に北九州市小倉南区の夢野はる香さんの「親を看て夫看てやがてヒヤシンス」が選ばれた。【百留康隆】 その他の特選句は次の通り。(敬称略) 毎日新聞社賞「竜の玉よきことのみを母に告ぐ」土
-
県現代俳句大会 大会賞に夢野さん /福岡
2022/3/15 06:02 266文字第30回県現代俳句大会(県現代俳句協会主催、毎日新聞社後援)が13日、北九州市小倉北区のホテルであり、最優秀賞の大会賞に北九州市小倉南区の夢野はる香さんの「親を看て夫看てやがてヒヤシンス」が選ばれた。大会には約30人が参加し、鹿児島市在住の俳句誌「形象」主幹、高岡修さんが「私の俳句論」と題して講演
-
-
毎日歌壇
伊藤一彦・選
2022/3/15 02:02 481文字感染の収まらぬ星に隊をなし戦車のゆくが今日も映りぬ 大阪 吉岡昭代<評>新型コロナウイルスの感染による世界の死者が600万人をこえる非常事態のこの地球で、さらに悲劇を招く戦争。日々届く映像に胸痛む思いを歌う。怖かろう寒かろこころ苦しかろ国を出る人出られぬ人ら 茨木市 瀬川幸子<評>ロシア軍侵攻下のウ
-
毎日歌壇
加藤治郎・選
2022/3/15 02:02 463文字憂鬱も雲と思えば愛(いと)おしい天使は今日も寝ながら笑う 京都市 小川ゆか<評>雲と思って日々の憂鬱を受け入れるのだ。天使は赤子だろうか。無垢(むく)な姿に救われる。いとしくてたまらない表情である。連弾をしている姉妹透明なオルゴールのよう窓を照らして 東京 新井将<評>姉妹がまばゆい。ピアノの音が聞
-
毎日歌壇
米川千嘉子・選
2022/3/15 02:02 446文字別の施設で介護に働く君想(おも)い銀花の中やともに夜勤す 須崎市 野中泰佑<評>介護職についている夫妻。ことにも大変な夜勤のはずだが、相手を想いあう夜でもある。「銀花(雪)」が美しい。一瞬で静止画となる高さまで平野海祝われらを誘う 池田市 黒木淳子<評>冬季五輪、スノーボード男子ハーフパイプで世界新
-
毎日俳壇
井上康明・選
2022/3/15 02:02 366文字生まれては死にゆく不思議冬花火 清瀬市 佐藤果久実<評>その生を全うして死を迎える人の運命は、誰にも平等であり、その瞬間はやがてやってくるだろう。冬の花火は一瞬の光を放つ。チューリップ一万本の花時計 香芝市 矢野達生<評>色とりどりのチューリップに春の日差しがまんべんなく降り注ぐ。花時計が幸福な時を
-
毎日俳壇
西村和子・選
2022/3/15 02:02 360文字その人はもう世にをらず冬の梅 羽生市 小菅純一<評>その人がどんな人であったかを季語に語らせ、読み手の想像力に委ねた句。毎年冬の梅に出会うたびに思い出す人なのだろう。野火守を引き継ぎしばし立ちすくむ 加古川市 中村立身<評>交代したばかりの実感。火の迫力をまのあたりにして身動きができなくなる。現実感
-




