特集
SUNDAY LIBRARY
毎日新聞デジタルの「SUNDAY LIBRARY」ページです。「サンデー毎日」の書評「SUNDAY LIBRARY」の記事を掲載します。
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著者インタビュー 瀬尾まいこ『夏の体温』
2022/3/15 18:25 1460文字好きな人に好き、素敵な人に素敵、とみんなもどんどん言えばいいのに◆『夏の体温』瀬尾まいこ・著(双葉社/税込み1540円)3月18日刊行 特にストーリーは決めず、パソコンの前に座って書き始めるという瀬尾まいこさん。本書は「長編が続いてたので久々にスカッと書けた」という短編2編と、国語の教科書にも掲載さ
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工藤 美代子・評『とうもろこし倉の幽霊』R・A・ラファティ/著
2022/3/15 18:20 1554文字奇怪で不気味で摩訶不思議な物語に心地よく翻弄される◆『とうもろこし倉の幽霊』R・A・ラファティ/著 井上央/編・訳(早川書房/税込み2090円) なぜこの本に好意を持ってしまったのか? 読み終わってから手のひらに乗っけて、しばし考えていた。作者の名前は知らなかった。翻訳書であるのはわかっていたが、何
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本郷 和人・評『ソ連兵へ差し出された娘たち』平井美帆・著
2022/3/15 18:15 920文字「男の陣営」にいる者はどう意識を変えるか◆『ソ連兵へ差し出された娘たち』平井美帆・著(集英社/税込み1980円) 太平洋戦争の敗北は満州国の瓦解(がかい)を意味していた。満州国に入植していた日本人は現地に放り出された。岐阜県からやってきた黒川開拓団もそうした集団の一つで、彼らは日本への引揚船を待って
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三浦 天紗子・評『奏鳴曲 北里と鷗外』海堂尊・著
2022/3/15 18:10 927文字感染症撲滅に尽力したふたりの栄光と挫折◆『奏鳴曲 北里と鷗外』海堂尊・著(文藝春秋/税込み2200円) 北里柴三郎と森鷗外は実年齢こそ10近く離れているが、ともに同時期に現在の東大医学部を卒業、官費留学先のベルリンでは同じコッホ研究所で1年間一緒だった。在学中からドイツ語堪能なエリートだった鷗外に対
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岡崎 武志・評『むりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめし』『「ニューヨーク・タイムズ」のドナルド・キーン』ほか
2022/3/15 18:05 1853文字今週の新刊◆『むりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめし』大原千鶴・著(文藝春秋/税込み1870円) これぞ大人のテレビ番組。NHK「あてなよる」を楽しみにしている人は多いだろう。料理研究家の大原千鶴がゲストを招き、簡単にして極上な酒の肴(さかな)を供する。京言葉に和服の京女を代
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村松 友視・評『人間の懊悩 今は呑みたい』『真昼の星空』
2022/3/15 18:00 1518文字文壇の主流から距離を保つ異端の二人との忘れられぬ縁◆『人間の懊悩(おうのう) 今は呑みたい』高橋三千綱・著(青志社/税込み1540円)◆『真昼の星空』米原万里・著(中公文庫/税込み649円) 新宿ゴールデン街の一角にあった「ガルシアの首」という名物バーの常連で編成する野球チームの四番バッターだった高
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著者インタビュー 橋本倫史『水納島再訪』
2022/3/8 18:25 1425文字結論や解決策を提示するのではなく入り口となる“窓”をつくるのが役目◆『水納(みんな)島再訪』橋本倫史・著(講談社/税込み1760円) 「『このまま行けば無人島になる』という言葉に強い衝撃を受けました」と、橋本倫史さんは本書を書いたきっかけを話してくれた。 水納島は沖縄のやんばる(沖縄本島北部)にある
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川本 三郎・評『遠別少年』坂川栄治・著 坂川朱音/装丁
2022/3/8 18:20 1562文字思い出のなかの子供時代を書きとめておきたかった◆『遠別少年』坂川栄治・著 坂川朱音/装丁(デザイン&ギャラリー装丁夜話/税込み2500円) 子供時代は二度訪れる。 実際の子供時代と、もうひとつは大人になってから思い出される記憶のなかの子供時代。もしかしたら実際の子供時代より思い出される子供時代のほう
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木村 衣有子・評『食卓の上の韓国史』周永河・著 丁田隆/訳
2022/3/8 18:15 901文字時代の変化とともに変わりゆく味の好み◆『食卓の上の韓国史』周永河・著 丁田隆/訳(慶應義塾大学出版会/税込み3740円) 『中国料理の世界史』を当欄で年頭に紹介して以来、中国由来の食文化の存在感には驚くばかりだったのだけれど、この本を読んでからは、韓国から来た食べものが日本にこれほどまでに馴染(なじ
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武田 砂鉄・評『日本バッティングセンター考』カルロス矢吹・著
2022/3/8 18:10 932文字そこにいてもいいと思わせてくれる場所◆『日本バッティングセンター考』カルロス矢吹・著(双葉社/税込み2035円) 高校バレー部時代、土曜日になると、社会人生活に疲れたOBがやってきて、いつもと違う厳しい練習(八つ当たりのような練習)になるのが嫌で、近所のバッティングセンターでサボっていた。休みの日の
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岡崎 武志・評『古いぬいぐるみのはなし』『少女漫画家「家」の履歴書』ほか
2022/3/8 18:05 1835文字今週の新刊◆『古いぬいぐるみのはなし』田村ふみ湖・著(産業編集センター/税込み2200円) 私が20歳で初の一人暮らしをした時、下宿に届いた荷物を開けたら鍋釜、包丁や衣類とともにクマのぬいぐるみが入っていた。母親が入れたのだろう。「一体いくつやと思ってるんや」と反発したが、親心に感謝もしたのだった。
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小林 聡美・評『100歳まで生きてどうするんですか?』『維摩さまに聞いてみた』
2022/3/8 18:00 1606文字日々の波風を朗らかに受け入れ静かな心で生きられますように◆『100歳まで生きてどうするんですか?』末井昭(すえい・あきら)・著(中央公論新社/税込み1650円)◆『維摩(ゆいま)さまに聞いてみた』細川貂々(てんてん)・著 釈徹宗・監修(晶文社/税込み1540円) 科学の進歩で人生100年が当たり前に
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著者インタビュー 角田光代『タラント』
2022/3/1 18:52 1484文字毎日継続できるものであれば才能であり使命なのかもしれない◆『タラント』角田光代・著(中央公論新社/税込み1980円) 角田光代さん原作の映画「八日目の蟬」のロケ地めぐりは、香川県の観光でも人気のコース。角田さんも、ツアーに参加したことがあるそうだ。「小豆島に行くためのフェリーを待って発着場で雑談して
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平松 洋子・評『百戦錬磨の台所 vol.1』『百戦錬磨の台所 vol.2』中村好文・著
2022/3/1 18:50 1546文字使う人の暮らしに寄り添う「町の仕立屋」としての建築家◆『百戦錬磨の台所 vol.1』『百戦錬磨の台所 vol.2』中村好文・著(学芸出版社/各税込み2970円) 住宅設計を手がけて約四十年、著者は三百五十以上の台所を手がけてきた。とりわけ台所に注ぐ深い情熱は、こんな一文からも伝わってくる。「独立した
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本郷 和人・評『お茶と権力』田中仙堂・著
2022/3/1 18:47 911文字政治経済の武器となる茶の湯の本質に迫る◆『お茶と権力 信長・利休・秀吉』田中仙堂・著(文春新書/税込み935円) 著者は大日本茶道学会の会長を務める、現代を代表する茶人のお一人である。同時に東大大学院に学び、科学的な考察のありようを体得する研究者でもある。本書はアーティストでありサイエンティストであ
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三浦 天紗子・評『ミシンと金魚』永井みみ・著
2022/3/1 18:43 900文字大きな喪失と、諦念としあわせの記憶がある◆『ミシンと金魚』永井みみ・著(集英社/税込み1540円) デイサービスや訪問ヘルパーの手を借りながら、一人暮らしを続ける安田カケイさんが冗舌に語る語る。認知症患者の頭の中ではなにが起きているのかを、識者が“それらしく”推察する書物はあるが、当事者の記憶や心情
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岡崎 武志・評『山狩』『すべてのものは優しさをもつ』ほか
2022/3/1 18:40 1804文字今週の新刊◆『山狩』笹本稜平・著(光文社/税込み1870円) 山岳、警察小説を中心に活動した作家の笹本稜平。昨年11月に本作の単行本化作業中に急逝した。『山狩』は組織に妥協せず、孤高の戦いを続ける男たちを描いた著者の遺作で代表作ともなろう。 南房総の伊予ヶ岳山頂付近に若い女性の死体が。登山中の発見者
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上原 隆・評『森から来た少年』『クライ・マッチョ』
2022/3/1 18:37 1534文字頼られたら断らず、必ず解決する、そういうおじさんになってみたい◆『森から来た少年』ハーラン・コーベン/著 田口俊樹/訳(小学館文庫/税込み1386円)◆『クライ・マッチョ』N・リチャード・ナッシュ/著 古賀紅美/訳(扶桑社ミステリー/税込み1430円) 『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)に出
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著者インタビュー 伊与原新『オオルリ流星群』
2022/2/22 18:25 1473文字サイエンスを物語の根幹に使うのには大きな意味があると思っている◆『オオルリ流星群』伊与原新・著(KADOKAWA/税込み1760円) 「自分と同じ世代を描いたのは、この作品がはじめてです」という新作小説。神奈川県秦野(はだの)市で薬局を営む久志は、高校時代の同級生のスイ子こと彗子(けいこ)が地元に帰
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開沼博・評『東京二〇二〇、二〇二一。』初沢亜利・著
2022/2/22 18:20 1509文字現代社会のあり方を歴史に残し根本から覆そうとする野心◆『東京二〇二〇、二〇二一。』初沢亜利・著(徳間書店/税込み3850円) 私たちは東京五輪に何を期待していたのか。世界のトップアスリートを近くで観たい。日本経済復活の起爆剤にしたい。いや違う、あんなものは既得権益を持つ者が甘い汁を吸おうとしているだ
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