講談社現代新書作品一覧
東京藝大現代アート裏入門
講談社現代新書
Chim↑Pom from Smappa!Group元リーダーの卯城竜太による
東京藝大での超人気講義を待望の書籍化!
「現代アートってなんだ?」
素朴な問いに独学で挑み続けてきた著者がいざなう、
異色の現代アート「裏」入門へようこそ。
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それは闘争であり、発明であり、財産です。
金であり、うんちであり、空虚であり、迷路であり、
新たな知覚であり、問いでもあります。
――「はじめに」より
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独学で勝手にアートと出会った頃には、
「え! 学ばないとアートがわからないなんて、アートに向いてないんじゃないの?」
などと、美大でアートを学ぶ同世代のアーティストに詭弁を弄していたくらいです。
その意味でも、今こうして藝大で教える立場にいることは、
正直とても恥ずかしく、気まずい状況であると告白しておきます。
――「第1回 アートとは何であり、何でないか」より
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【目次】
● 第1回 アートとは何であり、何でないか
● 第2回 アートの「力」はどこにあるのか
● 第3回 アートにとって「メディア」とは何か
● 第4回 アートは「誰のもの」か
● 第5回 アートにとって「倫理」とは何か
● 第6回 アートにとって「アイデンティティ」とは何か
● 第7回 アートにとって「前衛」とは何か
● 第8回 アートにとって「市場」とは何か
大人の外語学習 日常が冒険に変わる
講談社現代新書
英語学習に挫折した大人こそ、もっと自由に学んでいい! 未習言語の解読、聞き流し、実況中継……。日常が語学の冒険に変わる一冊。
【江國香織さん推薦!】
なんて愉しい本だろう。言葉が好きな人なら、血が滾るにちがいない。
言語の森に分け入るための、これは素敵な靴だと思う。
【本書の内容】
序 章 〇〇語ができる、ということは
第1章 聞くためのセッティング
第2章 声を出す、話すことで世界を描く
第3章 単語を生活の地図に置く
第4章 読むという魔術的なことがら
第5章 不自由のなかで書く自由
終 章 メタ言語能力こそ大人の強み
AIのこと――あとがきに代えて
演劇の誕生
講談社現代新書
なぜヒトは「演じる」のか?
古代ギリシャにルネッサンス、南北朝…
演劇革命が起きた時代には、ある「共通点」があったー。当代一の劇作家が描く壮大な演劇史!
「私たちホモ・サピエンスは、いつから「演じるヒト」になったのだろう。さらにそれが進化して「演じ分ける」能力を持つようになったのはなぜだろう。そしてヒトはいつからか、この演じるという行為を高度化し、様式化して「演劇」と呼ばれる制度を生み出した。どうして、この「演劇」という制度は生まれたのだろう。(中略)本書は、このような演劇の起源、演じるという行為の始まりから、演劇という制度の誕生を経て近代演劇の完成までを、いくつかの項目に分け、またその共通点を記述していく。」(「序章」より)
【目次】
序章 演じる人=ホモ・ペルソーナンス
第一章 演じる身体・・・演劇のはじまり
第二章 演劇誕生前夜
第三章 ギリシャ悲劇の誕生まで
第四章 古代ギリシャとギリシャ悲劇
第五章 エリザベス朝演劇
第六章 能の誕生
第七章 再び世界演劇史
終章 あとがきにかえて
世界資源争奪戦 国際秩序を動かす「見えない力」
講談社現代新書
資源を制する国が世界を制す!
地質の不平等が国際政治の不平等を生む――。イギリスを世界の中心へと押し上げた石炭。アメリカを超大国にし、中東を世界政治の焦点へ変えた石油。脱炭素革命とAI革命のなか覇権構造を再編しつつあるレアメタル。資源で読み解く世界近現代史!
産業革命、二度の世界大戦からイラン戦争まで、ヘゲモニーの変遷を資源という切り口で鮮やかに整理。資源なき日本の生存戦略は? 今後の国際秩序はどうなる? 文明的転換点に立つ今、これからを考えるための必読書!
チューリングの哲学 人工知能と人間機械論
講談社現代新書
「機械は考える!」「人間は機械だ!」
世界を大きく変えた「人工(A)知能(I)の父」
天才数学者アラン・チューリングの生涯と思考
ナチスの暗号「エニグマ」を解読
世界で最初にコンピュータを開発
栄誉なく迎えた41歳での「謎の死」
AI時代の到来を70年以上前に予見した
天才数学者の偉業と苦悩
<本書の内容>
第1章 異端の天才児
――アランが来たら、僕の生活がメチャメチャにされる!
第2章 運命の初恋
――アランは天才だ!
第3章 量子力学と数学の危機
――コンピュータの基本概念は、チューリングによるものです!
第4章 チューリング・マシン
――誰からも指導されず、まったく独自に研究してきました!
第5章 天才たちの激論
――あなたの言いたいことはわかりました!
――私に言いたいことなどはない!
第6章 エニグマ解読とコンピュータ
――常に第一の原理から出発して立ち向かう力が感じられた!
第7章 機械は考える!
――機械が意識を持つはずないと聞いて、機械が怒り出したら、
機械は意識を持っていると判断するね!
終 章 チューリングの死の謎
――暗号解読のおかげで生き延びたすべての人々を代表して、
チューリング氏に深く謝罪します!
<本文より>
チューリングは、人間が幼児期から学習するのと同じように、機械も学習することが可能だと考えていた。そうなれば、機械が「おもしろいこと」を言うようになるかもしれない。
ニューマンは、「チューリングは、将来、ご婦人方が計算機械を持って公園に散歩に出かけて、お互いに『今朝は、私の可愛らしい計算機械がこんなおもしろいことを言いましたの』という会話を交わすようになる、という話をするのが好きでした」と述べている。
つまり、チューリングは「計算機械」がスマートフォン・サイズの持ち運び可能な形態になって、まるで生成AIがおもしろいことを言うような未来を想定していたわけである!
――「第7章 機械は考える!」より
ジャイナ教
講談社現代新書
インドの全人口のわずか0.37パーセントという少数派にもかかわらず、インドの所得税収入全体の24パーセントを占め、インド社会において特異な存在感を示すジャイナ教教徒。虫一匹、それどころか微生物でさえも殺してはならないという不殺生の教義ゆえ、出家修行者は白衣一枚で、あるいは裸体で、一カ所に止まることなく遊行する。口をマスクで覆い、道を箒で掃きながら進むのも、虫が口に入ったり踏んだりするのを避けるため。水も濾過しなければ飲んではいけない(水の中の微生物を殺すから)。そして究極には断食死も厭わない。紀元前6世紀のヴァルダマーナを開祖とし、仏教とほぼ同じ時期に誕生し、「世界で最もハードかつピュアな宗教」とも言われるジャイナ教、なぜ彼らは上記のような不思議な行動を取るのか? そのバックボーンとなる思想とはどのようなものなのか? 歴史、教義から一般信徒の生活まで、興味尽きないユニークな宗教の実態を、日本における研究の第一人者が解説。新書初の本格的ジャイナ教の解説書。
目次
はじめに
序章 ジャイナ教とは?
第1章 ジャイナ教教団と戒律・修行
第2章 ジャイナ教の歴史(1)--ジャイナ教誕生以前からヴァルダマーナの入滅まで
第3章 ジャイナ教の歴史(2)--ヴァルダマーナの入滅から現代まで
第4章 ジャイナ教の教義
第5章 現代のジャイナ教
主要参考文献
図版・写真クレジット一覧
あとがき
日本書紀を読む
講談社現代新書
神武天皇から持統天皇まで、「日本」王朝の正統な歴史を見よ!
いかに読むか? 面白さに触れるには?
古代文学研究の第一人者が根源から問い直した思索の集大成
『日本書紀』を読むことは、漢文として読むことだ――。
漢文世界に生きていた人びとの感覚と向き合うことで、『日本書紀』が語る歴史に触れることができる。
『日本書紀』の本質に迫る決定版!
いま、『日本書紀』を読むことは、漢文として読むことだとつよく思う。そのために、訓読文を経由したりせず、漢文に即して読むことが第一義だと考える。ただ、伝来されてきたテキストが、訓を付したかたちであることに向き合って、それを生かすものでありたい。そして、『日本書紀』から批判的に史実をもとめるというようなやりかたでなく、『日本書紀』自体の語る「歴史」として見るのでなければなるまい――「はじめに」より
皇統という視点でとらえる、日本「王朝」の歴史!
●伊勢神宮はなぜ伊勢にあるのか
●仁徳天皇が「聖帝」とたたえられた理由
●文字による国家の運営
●武烈天皇の「暴虐」が語られる意味
●応神五世の孫として迎えられた継体天皇
●崇峻天皇暗殺と厩戸皇子
●世界標準のための仏法受容
●従来とは異なる持統天皇の即位
アウシュヴィッツの歴史
講談社現代新書
「ナチ・ドイツの帝国主義レガシーを何より象徴し、ヨーロッパ・ユダヤ人絶滅政策を極秘に推進したアウシュヴィッツ収容所。その歴史と全体構造をこれほど切れ味鋭く抉り出した書はなかった。現代史待望の訳書!」
――芝健介氏(『ヒトラー』『ホロコースト』著者、東京女子大学名誉教授)推薦!!
この地になぜ、巨大収容所が作られたのか?
110万人以上が犠牲になった大量虐殺(ホロコースト)の実態とは?
前史から戦後まで、第一人者が明かす入門書の決定版!
収容者はどんな仕事をしていたのか?
ガス室はいかにして設計されたのか?
収容所親衛隊員はどう裁かれたのか?……など
ドイツ近現代史の核心が、この一冊で掴める!
「ナチスが影響を及ぼした範囲において、これほど多くの人々が命を落とした場所はアウシュヴィッツのほかに存在しない。しかし、この収容所は最初からヨーロッパ・ユダヤ人の大量虐殺の中心地であったわけではない。
アウシュヴィッツが開設されたのは、ポーランド人の政治的敵対者を拘禁するためだった。ナチ収容所システムのなかで、アウシュヴィッツは次第に敵対者を隔離し、規律化するための数ある強制施設の一つとなった。
異例だったのは、アウシュヴィッツだけで一万に及ぶ人間の収容能力があったことだ(開戦時、その他の収容所全体でおよそ二万五〇〇〇人の収容力があった)。このような収容数の多さの理由は、征服者がポーランド支配地域において無数のポーランドの政敵を捕縛すると想定されていたからである」――「第二章 収容所」より
【本書の内容】
第1章 アウシュヴィッツという街
第2章 収容所
第3章 強制労働と絶滅
第4章 モデル都市アウシュヴィッツ
第5章 ユダヤ問題の「最終解決」
第6章 絶滅の中心地
第7章 最終局面
第8章 解放後の都市と収容所
第9章 法廷で裁かれるアウシュヴィッツ
第10章 アウシュヴィッツの嘘
天皇と人権 戦前戦後を貫く「日本的歪み」の正体
講談社現代新書
なぜ日本人は、あのとき国家に動員されたのか?
キリスト教由来の人権概念を「天皇の下の平等」と読み替えたことがもたらした、
破局締結末とその後ーー。
気鋭の神学者が日本固有の「病」をあぶり出す!
「もし「戦前」を一つの病として捉えるならば、それは特定の政治思想や政党を指す言葉ではありません。日本社会の深層に存在し、戦前・戦後に連なって繰り返して現れる「思考の癖」のようなものです。そして厄介なことに、私たちはその病の正体を十分に理解していないのです。これを捉えることができない限り、日本人はまた同じ過ちを繰り返す可能性が高いのです」――「はじめに」より
【本書の目次】
はじめに
第一章 欧米の人権思想の形成過程
第二章 日本国憲法に影響を与えた欧米の人権思想
第三章 なぜ日本では君主を「天皇」と呼称するのか
第四章 天皇を中心とする国の構造
第五章 天皇はいかにして国民の中に浸透したのか――文化政策と宗教政策
第六章 近代思想はどのように日本化したのか――信教の自由と政教分離の日本的再構成
第七章 人権とテロリズム――国体に基礎づけられた権利意識
第八章 天皇を相対化した運動
第九章 戦前と戦後の連続性
おわりに
主要参考文献
【本書の内容】
・なぜ日本ではキリスト教が根付かなかったのか
・欧米の人権と日本の人権の「大きな違い」
・なぜ日本人の人権が「暴力の免罪符」になったのか
・「国体」を最初に唱えた水戸藩士・會澤正志斎の『新論』
・なぜ日本では君主を「天皇」と呼称するのか
・吉田松陰がいちはやく見抜いていた「キリスト教」の脅威
・スラム街の聖人・賀川豊彦が世界に訴えた「天皇制護持」
・昭和天皇の「人間宣言」が本当に否定したかったもの ……ほか
はじめてのベルクソン 時間をひらく哲学
講談社現代新書
あなたはまだ本当の〈時間〉を知らない。
ぐいぐい読めて世界が変わる。
時間哲学の第一人者による、
私たちの常識を揺さぶるベルクソン入門!
「本書を読み終えたとき、時間についてのあなたの感じ方が少し変わっているかもしれません。大きな結論を手に入れるというより、出来事の見え方をずらせるようになる。予定に追われる一日、ふいに蘇る記憶、迷いのなかでまだ固まりきらない決意。(中略)これらが、単に「ある」ものではなく、それぞれの時間の中で、少しずつ生まれ、折り合い、かたちを変えてきたものとして見えてくる。
見え方が変わるだけではありません。あなたが立っている時間の地形そのものが、組み替わる。そのとき、時間とは、私たちを外から測り、急かし、管理する枠ではなく、私たち自身を内側から変えていくひとつの力なのだと感じられるはずです。もしそうなったなら、この本は役目を果たしたことになります。」(「はじめに」より)
【本書の内容】
第一章 時間という「型」を解きほぐす
第二章 自分を生き直す
ー『試論』が開いた自由の地平
第三章 私と世界を時間でつなぐ
ー『物質と記憶』が描く持続のスペクトル
第四章 生命の創造性を解き明かす
ー『創造的進化』が捉える進化のからくり
第五章 社会地形を書き換える
ー『道徳と宗教の二つの源泉』がひらく人類の未来
終章
税金はどこへ行くのか 元会計検査院長が見た「日本の財政」
講談社現代新書
日本銀行元総裁 白川方明氏推薦!!
「深刻な財政赤字をかかえる日本。財政支出の検証は健全性維持の出発点だ。読者は会計検査院の仕事の重要性を知るだけでなく、良きパブリック・サーバントの姿も発見するだろう。何よりも、読みやすい良書である」
税金のムダはなぜなくならないのか?
会計検査院って何をする機関なのか?
「これは、財政民主主義を支えるインフラだ」
世界的経営学者ドラッカーの弟子にして
会計検査院長を務めた著者が、
謎に包まれた「お金の流れ」を解き明かす!
◆アベノマスク予算1000億円の行方
◆給付金があなたの手元に届くまで
◆複雑な「ガソリン補助金」の仕組み
◆「多重下請け」の実態
◆現場力で突き止めた「補正予算」の使われ方…ほか
「これだけの重要な役割を担い、検査報告書を出しているのに、それが国民に伝わっていないことが『国損』だと思った。国損とは、会計検査院でよく使われる言葉で、税金を投じたのに間違った使われ方をしていたり、何ら効果を発していない状態は、国に損害をもたらすという意味だ。私は、大事な検査報告が知られていないことも国損であると理解してほしいと思った」――「プロローグ」より
【本書の内容】
第1章 7つの転職を経て会計検査院長へ
第2章 会計検査院とはどんなところか
第3章 税金はどう使われているのか(1)――アベノマスク・給付金
第4章 税金はどう使われているのか(2)――補助金・補正予算・賃上げ税制
第5章 会計検査結果はどのように活用されるのか
第6章 会計検査院改革の挑戦――国民のために
世界史の日本史
講談社現代新書
世界史教育の変遷から近代日本の歩みを描く一冊!
明治初期、「アダムとイブ」はどう記述されたか。
欧米の「人種主義」にいかに対峙したか。
帝国主義化は東洋史の記述をいかに変えたか。
なぜ戦後に西洋史の普遍性を強調したのか。
明治維新、戦争、グローバル化――。世界史教科書は各時代の影響を受けながらどのように変わってきたのか。
ロングセラー『聖書vs.世界史』の著者による決定版!
筆者が属する世代は、元来、日本の「世界史」及びその世界史像に対しては強い関心を持たざるを得ない環境の下で過ごしてきた。というのも、戦中派の最後に当たる私たちの世代は否応なしに世界史像の転換に立ち会わされた世代だからである。筆者の場合、高等学校や大学生時代には戦後歴史学が強い影響力を有していたなかで学び、大学院生時代には非常勤講師として世界史を教えたが、その末期に文化圏型世界史への転換という衝撃を経験している。やがて私が大学の講義では西欧における世界史記述の歩みをテーマとするようになったのも、この体験が糸を引いていたと言えるだろう。――「おわりに」より
原始仏教 ブッダから大乗成立へ
講談社現代新書
「本書を貫くのは、仏教とは何かという問いである。
仏教は、インドに生まれて以来、二五〇〇年にわたる歴史とアジア全域の諸文化に、きわめて深い足跡を刻みつつ、今日に至っている。
そのなかで、本書が「原始仏教」の名のもとに考察するのは、開祖ゴータマ・ブッダの生涯と教えであり、あわせて、今日ある仏教の多様な姿の淵源をそこにたどることである。」(「はじめに」より)
信徒数5億人を誇る世界宗教、その初期仏典にはある「仕掛け」があった。ブッダの描いた知られざるシナリオを解き明かす珠玉の仏教論!
【本書の内容】
第一部 原始仏教という射程
第1章 仏教の誕生
第2章 どのように初期仏典を読むべきか
第二部 ブッダの生涯と教え
第3章 誕生と出家
第4章 成道とその教え
第5章 成道から梵天勧請へ
第6章 初転法輪から初期伝道へ
第7章 サンガの成立と修行道の整備
第8章 存命中の主な出来事
第9章 入滅
第三部 仏滅後の仏教
第10章 入滅後の動向
第11章 部派分裂 十事の非法と大天の五事
第12章 仏教の多元性と連帯感 大乗仏教への道
終章 仏教とは何だったのか
無意識の発見 心に挑んだ精神分析の歴史
講談社現代新書
あなたが「本当に望んでいるもの」は何か?
心の底にはあなたも知らない”謎”がある!
内省ではたどり着けない、深い自己理解へーー。
フロイト、クライン、ラカン、河合隼雄……
欲望と自己をめぐる壮大な「知の冒険」を、気鋭の哲学者が一望する!
「仕事仲間でも恋人でも友人でも、自分が選んできたはずのものが、自分に幸福を約束してくれるわけではない。それどころか、自分が大切にしてきたその相手こそが、自分を悩ませたり苦しめたりしていることさえある。ちょっとしたタイミングでその事実を突きつけられたとき、私たちは欲望をめぐる問いの前に立っている――。
「自分が本当に望んでいるものは何か?」
本書を貫いているのも、まさにこの問いである。(中略)私たちの「自己」がどのように成り立っているのか、そしてその「自己」がどんなふうに作動するのか、それを深く掘り下げて考えることが、本書に与えられたミッションだ」(「はじめに」より)
【本書の構成】
はじめに――心はいかにして発明されたか
第一章 催眠からの目覚め シャルコーからフロイトへ
第二章 エディプスコンプクレクスとその裏面 父殺しと母殺し
第三章 暗黒大陸の探索 女性分析家の登場
第四章 精神分析家の無意識とその機能 ビオンとウィニコット
第五章 ブダペストからパリへ ラカンの「フロイトへの回帰」
第六章 日本におけるユング受容の一段面 河合隼雄と村上春樹
おわりに
読書案内
なぜ賃金は上がらないのか 日本経済30年の陥穽
講談社現代新書
食品から日用品まで、何もかも驚くほど高くなった。
スーパーで目にする野菜の値段が少しずつ上がっているなと思っていたら、「令和のコメ騒動」が起き、同じ価格でも内容量を減らす「ステルス値上げ」が普通になった。
長く続いたデフレの時代が終わり、生活必需品の値上がりが、暮らしを直撃している。
その分賃金などの収入が上がっていればいいのだが、一向にその実感はない。賃金の上昇率から物価の上昇分を引いた「実質賃金」は4年近くもマイナスが続いていることが示すように、その実感は、統計にもはっきり表れている。
物価上昇のしわ寄せが、暮らしを直撃しているのだ。
いったいなぜこんなことになってしまったのか。
急激な円安によって輸入品やエネルギー価格が上がったためなのか。
企業が値上げで儲かった分を労働者に還元せず、「内部留保」として貯めこんでいるためか。
日本人の働き方は効率が悪く、「労働生産性」が低いためか。
各企業の労働組合の交渉力が弱く、大企業の言うがままになってしまっているのか。
本書では、こうした俗説を一つひとつ検証し、その当否を探っていく。
もう一つ、いま労働の現場でもっともよく聴かれる言葉が「人手不足」である。
とくに飲食や宿泊などのサービス業では、客を集める人気店でも人出が足りないために接客ができず、予約を断るケースもある。
また、介護や医療などの現場の人手不足も深刻で、外国人材の手を借りないと維持できないことがはっきりしている。
なのになぜ、賃金は上がらないのか。
第一線の労働経済学者として活躍する筆者は、物流や運送業界などの現場の声を聴き、その実態を見ることから、日本の賃金が上がらない本当の理由を明かす。
人手不足に悩む労働の現場では、いままで8人で担っていた仕事を7人で回し、同レベルの成果を出す「効率化」を進めてきた。
しかし、現場の労働者の献身的な努力や「カイゼン」によって「効率化」すること自体が、実は、日本の低賃金を固定化している可能性がある、と筆者は言う。
それはいったいどのようなメカニズムによって起こっているのか。
緻密なフィールドワークを基礎とする研究を重ね、日本の低賃金の謎に真正面から挑んだ、画期的な論考。
宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると
講談社現代新書
宗教建築は聖典や経典とならんで、あるいはそれ以上に、宗教を知るのに適した創造物である。なぜなら、文字が読めない人びとにもその宗教の本質が伝わるように造られているからだ。実際、著者にしても探訪した土地のことばをほとんど知らない。それでも宗教建築を案内しようと試みるのは、文字が読めなくても宗教の本質を体感できるからだ。宗教建築は、その宗教を理解するための“巨大な書物”と言えるのだ。
また文字が読めても、人びとが聖典を読むことが可能になったのは、ドイツのグーテンベルクにより活版印刷が可能となった十五世紀なかば以降である。本書で訪れる宗教建築のほとんどは、グーテンベルク以前に建立されたものである。人びとは文字に頼ることなく、宗教建築のなかで、その前で、あるいはその周囲で説教を聞き、礼拝していたのだ。
そして宗教建築における礼拝法と宗教建築へのアプローチはつながっていることが多い。礼拝法とアプローチは密接に絡んでおり、切り離すことができない。礼拝は宗教建築のなかで、その前で、あるいはその周囲でおこなわれるが、宗教建築へのアプローチがすでに礼拝に含まれていることが多いのだ。それゆえ、本書ではアプローチのありかたをも含めて、〈回る〉〈進む〉〈彼方を視る〉の三類型に分けてそれをさらに展開、そして最終的には「どこに意識が向かうのか」をキーワードとして世界の宗教建築に臨むことにする。
宗教とか宗教建築とか言うと、どこか胡散臭く、カビが生えたようなイメージがつきまとうと感じる向きがあるかもしれない。だが宗教建築は人びとの礼拝のしかたを決めているとともに、その宗教が想定する世界観を体現しているのであり、けっして古臭いものではない。人類にとって不変かつ普遍の価値をもつものだ。だからこそ、いまでもわれわれの心を打つ存在でありつづけているのだ。
本書が読者を誘うのは宗教建築が発している、人類が記憶すべき多様な世界観の数々である。そこから、どんなあらたな気づきが得られるだろうか? 本書で得られる宗教建築のイメージは従来のそれを塗り替え、一新するものとなることを願う。読者にとって宗教と建築との、あたらしくもみずみずしい出会いとなることを期して、ともに宗教建築探訪の旅に出よう。(プロローグより)
観光を忘れた日本
講談社現代新書
「する」から「される」へーーなぜ日本人は変わったのか?
観光の歴史をひもとくと、インバウンド急増の裏側で静かに広がる、この国の深刻な〈社会問題〉が見えてくる!
「できない」ではなく「したくない」……観光をめぐる二極化が進行中!
<「はじめに」より>
じつは「観光離れ」しつつある日本人の姿は、かつて存在した、ある社会の人びとと、よく似ている。その詳細は本書で紐解くことになるが、観光の歴史を振り返れば、そして近代社会の歩んだ道を顧みれば、この社会問題の本質が、はっきりと見えてくるだろう。これはもはや見過ごすことのできない、歴史的に問うべき事態である。
<本書の内容>
第1章 観光とは何か 日本の現状と観光の定義
1 日本の観光の現在地/2 井上万寿蔵が観た世界/3 観光官僚と戦争/4 観光の定義
第2章 観光の誕生 産業革命と脱日常
1 観光の源流をたどる/2 トーマス・クックは何をしたかったのか/3 貧しい社会と「パーティ」の精神/4 観光のジレンマ
第3章 「社会的観光」という世界潮流 バカンスからソーシャル・ツーリズムへ
1 「休み」と近代社会/2 バカンスの発明/3 ソーシャル・ツーリズムの始動/4 旅と旅行と観光の日本
第4章 戦後日本における観光 「国民旅行」から「観光離れ」へ
1 観光の55年体制――ソーシャル・ツーリズムと日本/2 「国民旅行」が果たした役割――1950~1970年代の「観光旅行」/3 リゾートの嵐――1970~1990年代の観光ブーム/4 観光の「冷たい」まなざし――1990~2010年代の分断と格差/5 日常という、もう一つのバブル――21世紀日本の「観光離れ」の正体
第五章 観光の再創造 循環し代謝する「再」の思考
1 訪日インバウンドの急増――社会的インフラとしての観光/2 21世紀のソーシャル・ツーリズム/3 観光するリテラシー/4 再び光を観るために――再創造(レクリエーション)の思考
新しい日本地理 地図・統計・移動から読み解く
講談社現代新書
日本は「東西」で語れるのか?
「中部地方」は存在するのか?
何が「裏日本」をつくったのか?
私たちが知らない〈この国のかたち〉
日本列島って、こんなに面白かったのか!!!
【フルカラー&図版100点以上収録】
分けて、つないで、知的興奮……
日本の見方がガラリと変わる
まったく新しい地理学入門!
【本書のおもな内容】
◆都道府県ランキングが隠すもの
◆マクドナルドを「マクド」と呼ぶのは関西だけではない
◆西日本で見られる「納豆人気」の謎
◆プロ野球や進学先から見える「地域構造」
◆地政学と国土計画の意外なつながり
◆台風や黒潮が「南海日本」をつくった?
◆地域の盛衰は「交通」で決まる?
◆「瀬戸内海」はいかにして発見されたのか?
◆なぜ九州は出生率が高いのか? ……ほか
「地域区分は、一見すると地域を『分ける』試みのようでありながら、実はそれと同じくらい『つなぐ』営みでもある。何らかの共通性を持つからこそ、異なる地域が同じ区分として括られる。新しい地域区分を考えることは、はるか遠方のどこか、そしてそこに住む誰かに対して想いを寄せることでもある。日本列島のあちこちに築かれた地方ブロックの壁を飛び越え、遠く離れた場所との新たなつながりを見出すこと、それがこの本の目的である」――「はじめに」より
新版 哲学の謎
講談社現代新書
他人ってなんだろう? 自由ってなんだろう? 記憶ってなんだろう?
難解な専門用語に頼らず、日常生活の言葉を使って哲学のギモンに迫る画期的な対話篇。
刊行から30年、哲学入門の大定番として読み継がれてきた名著が完全リニューアル!
【本書の内容】
1 意識と実在
2 他人の心
3 記憶と過去
4 時の流れ
5 経験と知
6 私的体験
7 規範の生成
8 意味の在りか
9 行為と意志
10 自由
南北朝時代
講談社現代新書
二人の天皇が存在した日本史上稀有な混沌の時代。しかしそれは同時に抑圧されていた「下々」には「成り上がる」恰好のチャンスでもあった。同時代の記録『太平記』で人々が生き生きと跳梁するのもそのような時代ならばこそ。「悪党」「バサラ大名」・・・後醍醐天皇も足利尊氏も、そのような時代を象徴する人物像ではなかったか? それまでになかった新たな「キャラクター」たちが既成の秩序を蔑ろに、新たな時代を切り開く。鎌倉幕府の滅亡から後醍醐による建武政権の成立と瓦解。観応の擾乱を経て足利義満による南北朝合体まで。混沌の中から新たな秩序が生まれ出る過程を多彩な資料を駆使して活写する意欲作。