動物行動学
| 動物学 |
|---|
| 部門 |
| 主な動物学者 |
| 歴史 |
動物行動学(どうぶつこうどうがく、英: ethology)は、生物の行動を研究する生物学の一分野。[注釈 1]その他行動生物学(主に医学領域)または単に行動学とも呼ばれるほか、時に比較行動学の訳語が当てられたり、訳語の混乱を嫌って欧名のままエソロジーと呼ぶ場合もある。英語では"ethology"の説明として動物行動学(study of animal behavioral patterns)としている[1]。
人間の行動を社会科学的に研究する行動科学とは、関連性はあるものの別の学問である[注釈 2]。ただし、動物行動学の方法論をヒト研究に応用した「人間行動学」(英: human ethology)という分野もある。
動物行動学の歴史
[編集]近代以降、動物の行動を詳細に観察し、記述した最初の一人はフランスのファーブル(1823年 - 1915年)で、彼は昆虫の生態や行動をつぶさに観察した成果を『昆虫記』としてまとめ、1878年の第1巻から1907年の第10巻まで出版した。 同時期にイギリスでは、ダーウィンがオランウータンを観察し、その振る舞いが人間とわずかにしか異ならないことに注目し、ダーウィンの視点と進化の概念の影響を受けたジョージ・ロマネスは比較心理学と呼ばれる一派を創設し、人と動物の心理の差は性質ではなく量的な違いであると主張した。
初期のエソロジストには鳥類の求愛行動を観察したジュリアン・ハクスリーや刷り込み現象の先駆的な研究を行ったオスカー・ハインロート、鳥類学者ウィリアム・ソープ、昆虫学者ウィリアム・モートン・ホイーラー、霊長類学者ロバート・ヤーキースなどが含まれる。
20世紀にはアメリカで心理学者のジェイムズとウィリアム・マクドゥーガルの生得論とワトソンの行動主義が鋭く対立した。この対立は、アメリカを訪れたローレンツ、ティンバーゲンそれぞれに影響を与えた。2人は自分の研究がマクドゥーガルに近いと考えた。重要な一歩は信号刺激の発見であった。信号刺激とそれに対する反応は種普遍的で(つまり種の多くの個体に影響し)、種特異的(他の種には見られない)であり、行動の生得性を示唆する。
- ウィリアム・モートン・ホイーラー
- ロバート・ヤーキース
- ニコ・ティンバーゲン(左)とコンラート・ローレンツ(右)
インプリンティングの発見
[編集]
もう一つの発見は刷り込み(インプリンティング)である。この発見はマクドゥーガルの視点ともワトソンの視点とも矛盾し、行動が学習と生得性の一方で説明できないことを示す、とローレンツは考えた。ドイツ語圏の研究者がその研究の初期から進化と系統発生に注目していたのに対して、アメリカの研究者はより強く学習と個体発生に注目した。ワトソン、ソーンダイクの影響を受けたスキナーは行動主義を徹底し、この視点は心理学に強い影響を与えた。
イギリスではラック、エルトンら博物学の流れを汲む研究者が生態学の視点から動物行動を研究していた。おもにティンバーゲンの移住によってドイツ語圏の研究はイギリスに持ち込まれた。彼らの研究は動物の行動を生物学的適応と見なす点で共通しており、行動生態学(いわゆるイギリス流社会生物学)の発展の基盤となった。
行動の分類
[編集]動物行動学における行動
[編集]外界からの刺激や、内からの指示によって、動物が体のある部分で何らかの変化を起こすことである。これは単なる反応ではあるが、それが成長のような形を取らないもので、それらが一連の組み合わせで、結果としてその動物の生活に一定の役割を果たす場合に、行動という。一般に、動物は“動く物”であるので、その反応には移動を伴うが、必ずしも移動しなければ行動とは呼ばないわけではない。広い意味では体色変化や発光も行動の一部である。
行動には、一定の機能(目的)が存在する(これは必ずしもそれを動物が認識していることを意味しない)。だから単純な反応であっても、機能があれば行動と呼び得る。たとえば人間のあくびは生理的な反応だが、講演者に横槍を入れるためにわざと大きくあくびをするのは行動である。行動は、その目的によって分類することも出来る。たとえば繁殖行動、探索行動などという呼び方をする。研究の目的によって、行動を分類するカテゴリーは異なる。特に反射を行動に入れるかどうかは場合によって異なる。反射を行動に入れるかどうかは場合によって異なる。なお、ここでの反射は大脳に興奮が伝達しないという神経学的な狭義の反射ではない。一般的に動物行動学においては反射を意識せずして起こる単純な反応だとして行動に含めないが、行動生態学においては反射を行動に含めることもある。実験心理学における無条件反射は多くの場合、行動といえる。
反射と走性
[編集]
刺激に対する反応が単純な動きである場合、動物行動学ではそれを反射と呼ぶ。なお、ここでの反射は実験心理学や神経学の反射とは異なる概念である。また、定位行動は定位した生物が一定距離を移動して目標地点に到達するためにおこす行動のことをいう。定位行動のうち、刺激の方向と一定の関係をもつものを走性という。定位行動及び走性は生得的行動の一つである。反射は個体全体としての行動ではなく、個体の一部分が示す比較的単純で定型的かつ無意識な行動を指すため、走性とは異なる。反射や走性はもっとも単純なタイプの行動である。生活史の中で特定の時期に働いて、重要な行動の要素となる。たとえば、サケが生まれた川に戻るのは、川の水に含まれる成分への走化性が働くためと見られる。あるいは、マダニは地表で卵から生まれ、草をよじ登って葉の先の裏側に落ち着く。これは、負の走地性と負の走光性が働くからだが、大型動物が接近すると、吐く息に含まれる二酸化炭素を感知し、途端にその方向の葉の表側に移動する。これは二酸化炭素に対する正の走化性が働き、同時に負の走光性が正の走光性に変わるのではないかとも言われる。広く考えれば、植物の場合も環境に対して一定の反応をする。例えばアブラムシの食害に対して捕食者を呼び寄せる化学物質を分泌する植物が知られている。これは動物行動学では反射と見なされる反応だが、行動生態学では行動の一種として扱う。
生得性と習得性
[編集]動物行動学においては行動が、生得的なものであるのか、後天的なものであるのかで分け、それぞれにそれを支えるしくみを解明する。生得的行動(生得的な行動)は生化学反応や固定的な神経回路にもとづく行動のことである。学習を伴わず、同種間で共有する行動であり、遺伝的に定まっていることが多い。生まれつき、生活史の特定の段階で、そのようなさまざまな生得的行動が系統立ち複雑に関与して一つの合目的的行動として現れた行動を本能行動と呼ぶ。昆虫などでよく発達したものが見られる。習得的行動(習得的な行動)はその種にもとから備わっていはいない行動のことであり、学習を伴う。よく動物実験で行われるものに、簡単な迷路を使って、目的地にたどり着く道筋を覚えさせる、というのがある。脊椎動物であれば、何度かの失敗の後、目的地にたどり着けば、それを繰り返すうちに、次第に失敗の数が減り、やがて一気に目的地にたどり着けるようになる。つまり道筋を学習したわけである。これは学習の典型的なものの一つで、試行錯誤学習などとも言われる。また、高度な学習を伴い獲得する行動は学習行動と呼ばれる。
コンラート・ローレンツが発見した刷り込みは、当初は本能行動に分類されていた。しかし親を追従する行動は本能的ではあっても、どの物体を親と認識するかは学習による。発達生物学者と初期の動物行動学者の間で行われた議論は「生得性」の意義を問い直した。学習と学習の生得的基盤の相互作用の解明も動物行動学の範囲で行われる。さらに経験やそれに基づいての推察、予測などの判断で行動したと見られる場合、これを知能による行動と見るが、判断は難しい。
社会行動
[編集]ほかの個体の現在または将来に影響を与える行動を社会行動と呼ぶ。社会行動には、行動者の絶対適応度(生存と繁殖の機会)を増大させ、他個体の適応度を減少させる利己的行動、行動者の適応度を減少させ、他の個体の適応度を増加させる利他的行動、二個体の適応度をともに増大させる協力行動、行動者が自らの適応度を減少させ、他個体の適応度を減少させる報復行動(いじわる行動)などが存在する。
その他の分類
[編集]攻撃行動、繁殖行動、求愛行動、威嚇行動、縄張り行動、採餌行動などの機能による分類がある。その他にも意図運動、転位行動、転嫁行動など行動に応じて様々に分類がなされ、研究されている。
- 情報伝達を行うミツバチのダンス
- 発情期のインパラ同士の喧嘩
動物行動学の展開
[編集]
動物行動学は大まかに二つに方向に分けることができる。
至近的な分野には分子生物学や遺伝学的な手法を用いてモデル生物に対する実験を行う行動遺伝学(動物行動遺伝学)、神経行動学なども含む。一般的には狭義の野外で野生の状態を観察する生態学的な研究や、研究室内でラットやチンパンジーなどを用いる研究を指す。野外では哺乳類や鳥類、社会性昆虫などを対象とすることが多い。
様々な行動を比較するとき、その目的によって分ける考え方はわかりやすい。たとえば餌を食べるための摂食行動、繁殖のための繁殖行動といった具合である。また、繁殖行動は、さらに配偶者を求める配偶行動や卵を産むための産卵行動や子育てのためのといった細分化が可能である。特に生殖に直結する繁殖行動は注目されることが多い。しかし、動物自体が目的を意識しているかどうかはわからない。そのようなものを科学の対象としては据えられないから、動物の行動を研究対象とするには、違う方向からの切り込みが行われることが多い。
行動生態学
[編集]行動生態学および社会生物学は動物行動の究極要因、進化を扱う分野である。この分野を動物行動学の一分科とするか、独立した分野として扱うかには議論があるが、非常に密接した関係にあるのは確かである。行動生態学では多くの行動は遺伝的な基盤を持ち、同時に学習の影響も受けると仮定しているために、本能行動と学習行動を区別しないことも多い。
行動生態学の中心的な手法は至近要因分野と同様に観察、実験の他、ある社会行動がどのようなときに進化的に安定な戦略となるかの数理モデル作りも含まれる。行動生態学は主に動物を扱うが、植物や菌類なども研究対象である。また体色の変化や生活史など「狭義の行動」以外も研究対象となる。
行動生態学では特定の状況で取りうる複雑な行動が単一ではなく複数あるとき(例えば大きな敵と出会ったときに、逃げるか闘争するか)、その行動の選択肢を戦略と呼ぶ。また戦略の語は複数の行動が組み合わさった複雑な行動パターン(例えば求愛から繁殖、子育てまでをあわせて繁殖戦略と呼ぶなど)を指す場合にも用いられる。
心理学(精神医学)との融合
[編集]
精神分析家であり児童精神医学者でもあるジョン・ボウルビィは、幼児と母親の関係において動物行動学的知見が有用であることに気づき、ニコ・ティンバーゲン、コンラッド・ローレンツ、ロバート・ハインドらと交流を深めた。WHOの精神保健コンサルタントでもあったボウルビィは、人間の『愛着(アタッチメント)』に注目し、子どもの心の発達には養育者との愛情ある母性的関わりが必要であることを『Maternal Care and Mental Health(1951)』において発表し、母性的養育の剥奪は子どもに精神的な問題や少年非行などの深刻な影響を与えることを報告した。それまでジークムント・フロイトによって説明されてきた欲動理論とは異なり、1969年から発表された『Attachment and loss』三部作において、乳幼児は世界を探索するための『安全基地(secure base)』を必要とし、乳幼児の不安の多くは養育者との安全な愛着がないために起こることを指摘した。これらの研究は精神分析家のルネ・スピッツや発達心理学者のメアリー・エインスワースらに影響を与え、後に『愛着理論』と呼ばれる発達理論を形成した[2]。
日本における展開
[編集]古くは日本の精神科医である島崎敏樹が動物行動学を学び、精神病者の人間学的理解に活用した[3]。1970年代には、精神科医の市橋秀夫が精神病患者に見られる対人距離の特異性を行動生物学的視点から説明し、空間の精神病理として研究を行った[4]。2000年以降では、精神科医の岡田尊司がボウルビィやエインスワースの愛着理論をまとめ、こころの安全基地を持つ事が病める人々の前進する鍵となることを説いている[5]。動物行動学を礎とし、ボウルビィやエインスワースによって地歩を固め発展してきた愛着理論は、現代において人間理解に欠かせない要素となっている。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ↑ Encarta(R) World English Dictionary (C) & (P) 1999,2000 Microsoft Corporation. All rights reserved. Developed for Microsoft by Bloomsbury Publishing Plc.
- ↑ 小此木啓吾 他 (2002) p.549
- ↑ 井原裕 (2006) p.7
- ↑ 市橋秀夫 (1984)
- ↑ 岡田尊司 (2011)
参考文献
[編集]- 市橋秀夫『空間の病い —分裂病のエソロジー』海鳴社、1984年1月。ISBN 9784875250241。
- マイケル・マグアイア、リン・フェアバンクス(編著)、加藤信 他(訳)『エソロジーと精神医学 —進化理論から見た精神病理』星和書店、1986年3月。ISBN 9784791101375。
- 佐藤衆介、田中智夫、近藤誠司、楠瀬良『家畜行動図説』朝倉書店、1995年7月。ISBN 9784254450125。
- 小此木啓吾 他(編)『精神分析事典』岩崎学術出版社、2002年4月。ISBN 9784753302031。
- 井原裕『精神科医島崎敏樹 ―人間の学の誕生』東信堂、2006年11月。ISBN 9784887137172。
- 岡田尊司『愛着障害 —子ども時代を引きずる人々』光文社、2011年9月。ISBN 9784334036430。
関連人物
[編集]- エドワード・オズボーン・ウィルソン - 社会生物学の提唱者。蟻の研究を基盤に、社会性昆虫から人間に至る社会行動の統合を試みた。
- エドワード・ソーンダイク
- W.D.ハミルトン - 血縁選択説(kin selection)を提唱し、利他的行動の進化を説明。
- イレーネ・ペッパーバーグ — オウムの認知研究(アレックス研究)。
- ウィリアム・ジェームズ - 生得論(本能論)の提唱者。
- ウィリアム・ソープ - 鳥類の学習行動・歌の研究。
- ウィリアム・ドナルド・ハミルトン - 行動生態学: 血縁淘汰説と包括適応度の概念を提唱し、利他行動の進化を理論的に説明した。
- オスカー・ハインロート - 先駆者: 鳥類の行動を比較し、行動が形態と同様に分類の指標になることを示したローレンツの師。
- カール・フォン・フリッシュ - ミツバチのダンス(言語)を解読。感覚生理学と行動学を繋いだ。1973年ノーベル生理学・医学賞受賞。
- クラウス・ツビルン — 鳥類の認知と道具使用研究。
- コンラート・ローレンツ - 現代動物行動学の父の一人。刷り込みの研究や本能の理論化で知られる。1973年ノーベル生理学・医学賞受賞。
- ジェーン・グドール - 霊長類学: 野生チンパンジーの長期観察。道具使用や社会的対立など、人間との共通性を多く発見した。
- ジャン・アンリ・ファーブル - 昆虫の行動を詳細に観察・記述した先駆者。『昆虫記』で有名。
- ジュリアン・ハクスリー - 鳥類の求愛行動を観察。進化生物学と行動学を統合。
- ジョージ・C・ウィリアムズ — 適応主義と利他行動の進化を理論化。
- ジョージ・シャラー - 霊長類学: ゴリラやジャイアントパンパンダなど、多くの大型哺乳類の野外研究の先駆者。
- ジョージ・ロマネス - 比較心理学の創始者。動物の知能を人間と比較。
- ジョン・クレブス — 最適採食理論の発展に貢献。
- ジョン・ブローダス・ワトソン
- ジョン・ボウルビィ - 精神分析家。動物行動学(特に刷り込み)を応用して、人間の愛着(アタッチメント)理論を確立した。
- ジョン・メイナード=スミス - 行動生態学: 進化生物学にゲーム理論を導入し、進化的に安定な戦略(ESS)の概念を確立した。
- ダイアン・フォッシー - 霊長類学: マウンテンゴリラの生態解明と保護に尽力した。
- チャールズ・ダーウィン - 進化論の提唱者。『人間及び動物の表情について』で行動の進化を論じ、動物行動学の基礎を築いた。
- ティム・クラウト — 捕食・被食行動の進化研究。
- テンプル・グランディン - 自閉症当事者としての視点から、動物の認知や家畜の行動に基づいた施設設計を行った。
- トーマス・シーリー — ミツバチの意思決定と群れ行動研究。
- ドナルド・グリフィン - コウモリの超音波エコーロケーションを発見。後に「認知エソロジー」を提唱した。
- ニコ・ティンバーゲン - 信号刺激と生得的行動の研究。ティンバーゲンの4つの疑問を提唱。1973年ノーベル生理学・医学賞受賞。
- ニック・デイヴィス — 行動生態学の実証研究で著名。
- バート・ホルドブラー — アリの行動と社会構造の研究。
- バーバラ・スモーツ — 霊長類の社会行動研究。
- バラス・スキナー - オペラント条件付けの研究で行動主義を代表。
- ハンス・クレプス — 行動生態学の初期理論を構築。
- ピーター・マーカス — 動物認知と行動の神経基盤研究。
- ビルーテ・ガルディカス — オランウータン研究の第一人者。
- フラン・ド・ワール - 霊長類の社会行動・共感・政治行動を研究。動物の「道徳的」行動を論じる。
- フランス・ドゥ・ヴァール — 霊長類の協力・共感・社会性研究。
- マーク・ハウザー — 動物の認知能力と道具使用の研究。
- マイケル・ガザニガ — 行動の神経基盤研究(動物行動学と接続)。
- メアリー・エインスワース - 愛着理論の発展。動物行動学的手法を乳幼児研究に適用。
- リチャード・ドーキンス - 『利己的な遺伝子』の著者。遺伝子中心の視点から行動の進化を解説し、学問の普及に貢献した。
- ルイ・リーキー — 霊長類研究者の育成に貢献(グドールらを支援)。
- ルース・ベネディクト(仮項目)— 動物文化研究の先駆的視点を提供。
- ルネ・スピッツ
- ロバート・トリヴァーズ - 行動生態学: 親の投資、互恵的利他主義、親子間の対立などの重要な理論を提唱した。
- ロバート・ハインド - 動物行動学と心理学の橋渡しを行い、母子関係などの発達研究に大きな影響を与えた。
- ロバート・ヤーキース - 霊長類の行動研究の先駆者。
- アイリーン・マキシン・ペパーバーグ(w:Irene Maxine Pepperberg)
- 伊藤嘉昭 - 日本の生態学者・動物行動学者。不妊虫放飼によるウリミバエ根絶や、社会性昆虫の比較生態学で知られる。
- 岡ノ谷一夫 - ジュウシマツの歌の複雑性などを通じて、言語の起源や生物学的基盤を研究している。
- 菊水健史 - 日本の動物行動学者。齧歯類の社会コミュニケーション・母子関係を研究。
- 幸島司郎 - 日本の動物行動学者。野生動物の行動生態・氷河昆虫の発見などで知られる。
- 今西錦司 - 霊長類学: 日本の創始者。「棲み分け」理論や文化の萌芽としての「プレ文化」を提唱した。
- 今泉吉晴 - 日本の動物行動学者。哺乳類の行動・生態研究。
- 小西正一 - メンフクロウの音源定位や小鳥のさえずりの神経メカニズムを解明した神経行動学者。
- 青木清 - 日本の動物行動学者。行動の生理・遺伝的基盤を研究。
- 池田透 - 日本の動物行動学者。昆虫・甲殻類などの行動研究。
- 日高敏隆 - 日本における動物行動学の確立者・初代日本動物行動学会会長。昆虫・魚類などの行動生態を研究し、普及に貢献。
関連項目
[編集]動物行動学における主要な理論、現象、および研究分野
- ゲーム理論 — 行動戦略の進化を分析する数学的枠組み。
- ティンバーゲンの4つの疑問 - 動物の行動を説明するための枠組み(至近要因・発生的要因・機能的要因・進化的要因)。
- フィールドワーク — 野外観察による行動研究。
- 自然主義的観察
- ミツバチのダンス - ミツバチが餌場の方向や距離を仲間に伝えるために行う、高度なコミュニケーション行動。
- 移動生態学 — 渡りや移動行動の研究。
- 学習行動 - 経験や試行錯誤により獲得される行動(対比:生得的行動)。
- 求愛行動 — 配偶者獲得のための行動。繁殖のための異性へのディスプレイなど。
- 究極要因 - 行動の進化的な適応意義(生存・繁殖への貢献)。
- 協力行動 — 非血縁個体間の協力の進化を扱う。
- 血縁選択 — 血縁者への利他行動が進化する理論。
- 固定行動パターン (FAP) - 特定の信号刺激によって引き起こされる、種に固有の定型的な行動。
- 行動遺伝学 - 行動の遺伝的基盤を分子生物学的手法で研究する。
- 行動実験 — 実験室での行動測定。
- 行動主義 - 環境刺激と反応の観察に限定する心理学・行動学のアプローチ(対比:生得論)。
- 行動神経科学 — 神経系と行動の関係を扱う学際領域。
- 行動生態学 - 行動の進化的意義(究極要因)、行動がその動物の生存や繁殖(適応度)にどのように寄与するかを研究。
- 刷り込み - 生後一定期間に特定の対象に強い結びつきが生じる学習現象(imprinting)。
- 至近要因 - 行動の即時的な生理・神経・環境的原因。
- 社会構造 (動物) — 群れ・階層・社会性の研究。
- 社会行動 - 集団内でのコミュニケーションや協力・競争を含む行動。
- 社会性昆虫 - ハチ・アリなどの複雑な社会構造と行動の研究対象。
- 社会生物学 - 社会行動の進化を遺伝子中心に説明する学問。E.O.ウィルソンらが提唱。
- 信号行動 — 動物間のコミュニケーション行動。
- 信号刺激 - 種特異的で固定行動パターンを引き起こす鍵となる刺激(releaser)。
- 神経行動学 - 神経系・脳のメカニズムから行動を解明する分野(neuroethology)。
- 親の投資 - 子の生存率を高めるために、親が自身の将来の繁殖可能性を犠牲にして費やす資源。
- 親子関係 (動物) — 親の投資や子育て行動。
- 進化生物学 — 行動の進化的背景を理解する基礎分野。
- 人間行動学 - 動物行動学の手法を人間に応用した分野(human ethology)。
- 性的二型 - オスとメスの間で、体格や色彩、行動などが著しく異なる状態。
- 性淘汰 — 行動や形質が配偶成功により進化する過程。
- 生得的行動 - 遺伝的に規定され、経験なしに発現する行動(innate behavior)。
- 走性 - 刺激の方向性に関連した定位行動(走光性・走化性など)。
- 超正常刺激 - 実在する自然物の刺激よりも、その特徴を強調した人工物に対してより強く反応する現象。
- 定位行動 - 刺激の方向に向かうか逃れる行動(taxis)。走光性・走化性など含む。
- 適応 (生物学) - 行動を生物学的適応として捉える視点。
- 頭足類の知能 - タコ・イカなどの高度な認知・学習能力。
- 動物コミュニケーション — 音声・化学・視覚などによる情報伝達。
- 動物における数感覚 - 動物が数量を認識する能力(w:number sense in animals)。
- 動物モデル — 行動研究に用いられる代表的動物種。
- 動物認知 - 動物の知能・認知能力を研究する分野(animal cognition)。
- 動物認知学 — 動物の知性や問題解決能力を扱う分野。
- 動物言語学
- 動物福祉 — 行動指標を用いた福祉評価。
- 道具使用 (動物) — チンパンジーやカラスなどの道具利用行動。
- 縄張り — 個体が防衛する空間とその行動。
- 縄張り行動 - 資源や繁殖機会を守るための領域防衛行動。
- 認知生物学 — 動物の知覚・記憶・判断などの認知能力を研究。
- 比較行動学 - 異なる種の行動を比較する研究手法。
- 比較心理学 - 主に実験室環境で、異なる種の間での学習や認知能力を比較・研究する心理学の一分野。
- 文化 (動物) — 学習により伝達される行動の地域差。
- 捕食-被食関係 — 捕食者と被食者の行動的相互作用。
- 本能 - 学習によらず、特定の刺激に対して生得的に備わっている行動パターン。
- 本能行動 - 生活史の特定の段階で現れる生得的で固定された行動パターン。
- 利己的行動 - 自己の適応度を高める行動。協力・報復行動と対比。
- 利他的行動 - 他個体の適応度を高めるが自己の適応度を低下させる行動(altruism)。
- 動物認知(鏡像認知、比較心理学、魚類の知能、頭足類の知能、動物の数への認識)
- 動物実験(迷路実験)
- 臨界期
- 動物の排泄行動(排便行動、排尿行動)
- 配偶システム、レック繁殖
- 行動圏
- 野生動物テレメトリー(ラジオテレメトリー)、GPSアニマルトラッキング、バイオロギング
- 動物の異常行動の一覧、飼育下の鳥の異常行動、動物精神病理学
- 真空活動 - 架空の対象に対して行動を起こす活動。
- 行動可塑性 - 何らかの刺激(飢えや捕食者の行動など)によって対応を変える性質。
- 神経動物行動学、神経行動学
- ズーミュージコロジー ‐ 音楽が動物へ与える影響について。
- 道具を使用する動物、動物による生薬利用
- 動物言語学(Animal Linguistics)
- 最適採餌理論 )Optimal foraging theory, OFT)
+ 最適移動理論 (Optimal Movement Theory. OMT)
- 限界価値定理 (Marginal Value Theorem, MVT)
- 生活史不変量(Life History Invariants, LHI)
- 性配分理論(Sex Allocation Theory, SAT)
- 進化生態学 (evolutionary biology)
- 代謝生態学(metabolic ecology)
組織・組織関連物
[編集]- 日本獣医動物行動研究会(Japanese Veterinary Society of Animal Behavior)
- 動物行動研究協会(略称:ASAB)
- Animal Behaviour - ASABによる学会誌